台風12号が日本列島を逆走したり、色んな興味深い現象が日本付近で生じている。
異常気象について考えてみたい。
大気中のCO2濃度が増加し、大気は動かないとすると、地表面温度のみが上昇し、大
気温度は下降する。CO2増加により大気が(上向き、下向きに)放出する赤外線が増加し、
地面がそれを吸収するからである。
大気が動けるとすると、対流圏(地表から10q程度上空までの大気)の空気は上下にかきまぜられ、
地面温度の上昇によって気温が上昇する。対流圏の上にある成層圏の気温は低下したままである。
これが地球温暖化です。
チベット高原は3000mから5000m程度の高原で、この地表面は地球温暖化の進行と共
に、夏期に吸収する赤外線が増加し、地温が上昇する。そのため、その付近では夏期に低気圧が強まる。
それと同時に、その周囲で高気圧を強める。
日本付近で云えば、日本南部域で、太平洋高気圧が、温暖化前と比べて、夏期に西の方に張り出しやすくなる。
こういう変化がさまざまな気象現象に影響を与える。台風進路はもちろん、チベット高原より北の方の
大気にも影響を与える。
これまで地球温暖化によって引き起こされる影響の研究で、このようなチベット高原周辺で生ずる夏期の
気象変化は調べられていない。ちゃんと研究調査すると、この6,7月に生じたことの一部が地球温暖化の
影響と同質のものだと分かるかもしれない。
関東地方の梅雨明けが6月に生じたことも、この事と無関係ではないかもしれない。
誰か若い人にこのようなことを研究してもらいます。これまでの地球温暖化の影響研
究は全球的なものに限られていたが、もっと地域的に生ずる変化も調べないといけないと痛感している。
提供; 時岡 達志 (元地球環境フロンティア研究センター長)