医療を考えるときその重要なことが3っつあると考える。
まず第1に医療の質 医療水準は高いか?その2として国民誰でもどこでも平等に医療の恩恵にあずかれるか?
その3としてどれだけのお金をかけているか?
質の高い医療がいつでも、どこでも受けられるとするならば当然費用はかさむだろう。費用をけちれば質の低下は避けられない。そしていつでもどこでも誰でも高度の医療の恩恵にあずかれることにはならない。この3条件を同時に満たすことは出来ないといわれている。
医療先進国といわれる5カ国と比較しながら日本の医療を考えてみたい。



日本人の平均寿命はご存じのように世界一。これは日本の医療水準の高さを示しているとともにいつでもどこでも誰でも(金持ちであろうと貧乏人であろうと)同じお金で高度の医療の恩恵にあずかれる日本の医療制度のすばらしさを示す物である。 新生児の死亡数も医療の質の高さの証明である。


そのような高度な質の高い医療がなんと一番少ない費用でなされているとは驚きである。 国民総生産に占める医療費の割合も一番少ない英国とほぼ同じ7.9%にすぎない。(下のグラフ参照)

医療の利用のしやすさの一つの物差しとして年間一人あたり何回医療機関を受診したかをみたのが下のグラフである。年間の受診回数の多さは医療費が安いからそれほど必要でないのに受診しているのだとの指摘もあろうが、誰でもいつでも気軽に受診出来るという優れた制度のおかげであるともいえる。


現在でも医療機関の窓口で支払わなければならないお金(自己負担金)の割合は日本が一番多い。これ以上にすることが必要でしょうか?
医師や看護師の数は世界的に見ても少ない。少ない人数で安い医療費で世界一質の高い医療が提供されているといったら言い過ぎか?さすが世界保健機構はよく解っているようだ。(下記)



もう一つ 皆様ご存知ですか 医療費の22%はわずか1%の人が使っていることを。

WHO(世界保健機関)は日本の医療制度、健康度を世界一と評価している。
これらの現状を総合的に考えて医療費を今以上に下げたり、患者様の自己負担を増やさなければならないであろうか?
みなさまのご意見ご感想やいかに。

9月25日付けの朝日新聞の記事を引用させていただきます。

英国は80年代以降、「小さな政府」を目指して、きびしい医療費の抑制をおこなった。その結果、国内経済にしめる医療費の割合は他の先進諸国より低い水準に抑えられた。
01年の調査では、施設や人手の不足により、緊急入院が必要な重症患者の待ち時間は平均3時間半で、まる2日以上待った人もいた。一般の入院待ち患者は104万人に達した。緊急に手術が必要なのに4ヶ月以上待たされた癌患者の例も報道されている。
ブレア政権は抑制策の誤りを認め、03年から5年間で医療費の予算を実質1.4倍に引き上げる計画を実施中だ。
日本福祉大の近藤克則教授(医療経済・政策学)は「英国の公的な医療サービスは抑制策で荒廃した。今でも低い水準にある日本の医療費を無理に抑えれば、英国のように医療のアクセスや質が低下しかねない。」と警告する。
また市場原理にゆだねる部分が増えると、保険外の治療費などが上がり、「結局、米国のように医療費全体が膨れて、国民や経済全体にとっても大きな負担になりかねない」池上教授(慶応大学 医療政策学)話す。
なぜ日本の医療システムが崩壊にひんしているのか、どうすればよいにか


<平成20年10月1日追加>