花粉症とは
 花粉症は花粉に対する鼻や目のアレルギー症状。原因となるアレルゲンで一番多いのはスギ花粉。

30才〜40才代の4人に一人が花粉症
 花粉症の患者さんは10歳代から急増、30〜40歳代の4人に一人は花粉症とも言われる。

スギ花粉が飛ぶのは
 例年2月から5月にかけて。 その年の飛散量は前年の夏の気温に左右される。前年の夏の気温が高いほど翌年の花粉の飛散量は多い。

なぜ花粉症は増加したか
 戦後大量に植林されたスギが昭和50年代のはじめごろより花粉をつけやすい年代になり、大量に花粉をとばすようになった。

スギ花粉症は日本にしかないの
 日本杉は日本にしか生えていないのでスギ花粉症は外国にはない。しかし日本に長期滞在している外国人はスギ花粉症になる。日本でも北海道にはごく少量のスギが見られるだけなので北海道に避難すると症状は軽快する。

花粉症対策
 残念ながら現在のところ根本的に直す方法に決め手はない。(といっても失望することはありません。研究が進んでそのうち良い治療法が出来るでしょう) まず花粉との接触を極力さける。花粉の飛散量を決めるのはその日の天気、気温、風量です。晴れて気温が20度を超えて風が強い日は要注意。出来るだけ外出を控えましょう。外出時にはマスク、眼鏡、つば付きの帽子などで花粉を防ぐ。 外出から帰ったら花粉を室内に持ち込まないよう、しっかり着ていたものをはたいてから家の中にはいる。(ご家族の方の協力も必要です)花粉は午後から飛ぶ事がが多いので掃除は午前中に済ませ、午後からは窓を開けない。洗濯物はよくはたいて取り込む等の対策を。

花粉症の治療は
 花粉症の治療は花粉が飛び始める1〜2週間前から薬を飲み始めると、症状の発現時期を遅らせることが出来ます(一般的に2月の第1週目から飲み始めると良いだろうと言われています)薬にはいろいろありますが抗ヒスタミン作用を持つ薬が一般的。眠気を催すものが多く自動車の運転、危険な仕事をする人は要注意。数ある薬のうちどの薬が一番効果的か自分にあった薬を見つけることも大切です。点鼻薬、点眼薬もあります。かかりつけの先生とよく相談して下さい。

花粉症はスギだけではない。
 花粉症の原因になる花粉はスギが一番ですがスギだけでなく、スギがすんだら引き続いてヒノキによる花粉症になる人も多いようです。そのほかブタクサ、ヨモギなどの花粉症もあります。

腸内細菌がアレルギーに関係
 アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息等の増加は腸内細菌が関係しているのでは??とも言われています。腸の中には10兆個とも言われるくらい多くの細菌がすんでいて、これらが免疫システムに重要な役割を担っています。近年の食生活の変化で腸内細菌にも影響がありそのことがアレルギーの増加に大きく関わっているとも。

アレルギーが起こるしくみ
 ちょっと難しい話になりますがアレルギーの起こる仕組みについてお話します。 体の中に花粉が入ってくると体はそれを異物と認識 花粉を排除するための物質が作られます。 侵入してくる花粉のことを抗原すなわちアレルゲンと呼び、排除するための物質は抗体(IGE抗体)といいます。 IGE抗体がヒスタミンなどの科学伝達物質を含んだ肥満細胞というものに付着します。このことは感作されたと言います。そしてまた新たにアレルゲンが入ってきたときに反応できる準備をします。 こうして準備が出来ているところに再度侵入してきたアレルゲンが肥満細胞にくっついたIGE抗体と反応するとヒスタミンなどの科学伝達物質を放出し、それが神経などを刺激してくしゃみ、鼻水などなどの不快なアレルギー症状を引き起こすのです。